『散歩する惑星』

ロイ・アンダーソン監督の『散歩する惑星』を観る。
この映画は、たまらんは。色味や雰囲気。笑かしたろか!的なガツガツした感じじゃなくて、とぼけた感じというか。ボケて「どや?」的な感じじゃなく、サラッとボケてサラッとはけてくみたいな。知らんオッサンやからいいんだろな。こういう笑らかし方、どストライク!
って部分とは別に!!

構図やパースの付け方がズバ抜けてる!観てて凄く気持ちいい位置に人物や物、建物が配置されてて、その画面内に色んな人が登場してくるタイミングがまた絶妙!例えば、室内で、廊下を挟んで奥の部屋の戸の開き具合から、その隙間にいる人物(姿勢まで)、そのまた奥の窓のそとの景色が、絶妙な位置なのだ。さらに、手前の人は、もちろん大きく映るけど、その死角になってる奥の方で人が出てきたり、滅茶苦茶位置関係やタイミングが計算されてる。面白部分がついついクローズアップされるけど、それ以上に緻密。本当サムイボもんだコレ。なので秒単位でどの画面を切りとっても1枚の写真(ベストタイミングの)として成立する。ただ、画面の奥の方や、あっちゃこっちゃで小技的に色々起こるから、字幕を観てられないのだ。画面を隅々を観てると「あ!字幕観るん、忘れてた!」的な。またその逆も。なので、上げたらきりがないぐらい良いカットてんこ盛りだ。そら、作るのに4年掛かるで〜。

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★★★★★『散歩する惑星』Trailer

『THE FIRE ARTIST-炎の声-』

早朝から大阪の、シネ・ヌーヴォに『THE FIRE ARTIST-炎の声-』を観に行く。
モーニングのみなので京都から行くのは中々キツい。で、シネ・ヌーヴォはスクリーンが1コだけなんやと思ってたら、2階(半地下やから1階?)に案内され、初めて2つあったんだ!って知った。プラネット+1ぐらいの試写室みたいなのが。
先日、我らがクロード・ガニオン監督最新作の映画『KAMATAKI-窯焚-』が大阪でも公開され、僕はちょっとタイミングを逃して観れなかった(ちなみに、2年前に1回観ている)んだけど、そのクロード・ガニオン監督が3年以上の歳月をかけて、信楽在住の陶芸家・神崎紫峰先生の半生を追ったドキュメンタリーが『THE FIRE ARTIST-炎の声-』。ちなみに、撮影・編集は、jimama・テルミーの実妹でもある宮平貴子が担当しているのだ。
で、神崎紫峰さんを追ったドキュメンタリーは、アーティストだなぁ〜って感じ。陶芸奥が深い。窯は日本各地にもあるんだけど、海外の色んなとこにも同じ感じの窯があって、そこにアーティストがいて守ってる感じでなんか良いなぁ。『Revival Blues』のポスターを描いてる時に、打ち合わせで一回『KAMATAKI-窯焚-』の撮影現場の工房まで見に行ってたので、知ってるとこが映っててイメージしやすかった。
あと、クロード・ガニオン監督の処女作『Keiko』がデジタルリマスタリングされてDVD化されるとか。それを記念してシネ・ヌーヴォでも現在公開中ですよ。

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『Keiko』『炎の声』共に〜6/27まで!

『JUNO ジュノ』

何となくフラっ〜と『JUNO ジュノ』を観る。
16歳のジュノが妊娠してしまい、生まれた子を里親に出す的な話。
でも、重いシリアスな感じでなく、コメディータッチな感じ。
ジュノ含め登場人物みんな良い味出してる。
観ながら多分最後ああなるパターンやろな〜って、ベタなパターンを無意識に想像(予測)したけど、それとも違う感じ。そら、そうか。女子目線だし男子の入る余地のない感じ。登場する男みんなダメな感じだし。。。女の人の映画って感じかな。常に色んな曲が流れてて良い雰囲気。エンドロールの曲もかわいらしい。

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『JUNO』予告編

『ミスト』

『ミスト』を観る。結構楽しめた。
謎の霧(ミスト)が発生して、外に出たら危険な状態でスーパーに閉じ込められた人々がどうなってくかって話。こういう密室の集団心理的なのは、漂流教室とか散々色んな人がやってるから、最後どうオトすかになってくると思うけど、最後どうする事も出来ないって状態を、わ!そうなるか〜。的な感じ。書けないけど。
で、個人的な話だけど、映画を観る時って、極力情報を入れずに観るし映画評論家や誰かのコメントとか一切見ないし無意味だけど、これもそういう感じで、どういう話かあんま知らずに観たから楽しめたかも。
なので、この映画を観終わった後に、このオフィシャルサイトや予告を初めて見たら”映画史上かつてない、震撼のラスト15分”なんてキャッチコピー書いてたけど、そんなコピー書くな!って感じ。放っといても観ながら”最後どうなんねん最後どうなんねん!”って感じるのに、こんなこと書いたら最後15分どうなんのか観してもらおか!的に構えてハードルあがるので、観る気が失せてしまいます。なので、今回観る前にサイト観んでよかった〜。

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『ミスト』予告編

『紀元前1万年』

で、昨日は姉川さんのに行く前に、梅田ブルク7のタダ券をある人物からもらったので、『紀元前1万年』を観る。
特に情報もなく、タイトルの示す通り紀元前1万年の話なんやろな位のノリで観る。正直紀元前1万年がどんな時代なのか頭に浮かばないけど、意外と発展してんやな〜って感じ。まぁ映画やけど。
紀元前1万年やから、人間の感情表現や人間関係なんかは現代みたく複雑じゃないし単純な感じで、各キャラクター的にもキツめな味付けをしてないので、まぁ、滅茶滅茶感情移入するって感じでもないし、何か別の惑星の話、もしくは猿とか別の種族の出来事的な人ごとな感じの淡々とした作りかな。そんな感じでキャラ自体に深い説明がない(そういう演出なんやろし、紀元前1万年の人間はそんな感じなんやろね)から、観終わった後味的にもサラっとしてて数時間経ったら消えてく感じかな。マンモス、こわっ!ってくらいのモンかな〜。

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紀元前1万年 予告編

『バベル』

『バベル』を観る。お、ようできたある。
みんな悪い人じゃないのに、コミュニケーションがとれないばっかりに、ちょっとのズレがでっかくなって、、、中々遣る瀬無いですね。情報もズレてるし、現実社会で見聞きしてることも何が真実かちゃんと見極めないといけないですね。考えれば考える程、深いテーマだ。公開された国のそれぞれの人がそれぞれの考え方で考えるだろし。
まさにバベルな感じで、うまいことやったあるなぁ。

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『BABEL』

『犯人に告ぐ』

『犯人に告ぐ』を観る。あ、普通におもしろかった。
劇場型犯罪って題材から、『模倣犯』を思い出した(厳密には、劇場型捜査っので真逆なんだけど)けど、『模倣犯』の最後のCG(技術じゃなく表現が)はかなりヒドかったけど、これは細部まで丁寧に(CGは関係ないよ)作ってあって良かった。
トヨエツもかっちょよ過ぎ!飲んでた缶ビールが、ちゃんと黒ラベルやし。
話はそれるが、真心ブラザーズは昔、モルツのテーマ唄ってたけど、ちょっと前のサッポロ 北海道生搾りのCMに桜井さんが出てたのはいいのかな?あぁ〜〜、ビール飲みたなってきた。。。

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『犯人に告ぐ』予告編

『少林少女』

『少林少女』を観る。けど、、、ひっでーなこりゃ。。。
この映画、アカンような予感がプンプンしてたので、前知識も全く入れず(フジテレビ製作ということなので、プロモーションしまくりなんだろうけど、あんまテレビ観てないので)にハードルも下げて下げてかなり間口を広げて観たけど、ダメだこりゃ。途中まで、どっか良いトコを見つけようと歩み寄ったけど、ないな〜。
単純明快な話なはずなのに、薄っぺらい。伏線張ってるのかと思ったら全然回収しないし。少林拳、ラクロス、人間ドラマの全体的なバランスが悪過ぎやし、ラクロス部員のキャラも全然立ってないし。一切引き込まれなかった。あくまで個人的な感想ですけど。

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観終わった後に、こんなん観に来てしまったって事実が恥ずかしくなった。こんな感情初めて。。。
どういう層をターゲットマーケットにしてるのか知らないけど(子供向けなのかな?)、まぁ、一応目を通した、ってくらいのトコかな。

『≒草間彌生?わたし大好き?』

ヘンリー・ダーガーを観たあと、続けて『≒草間彌生〜わたし大好き〜』を観る。
例えるなら、スペースローリングエルボーからフェイスクラッシャーを食らうような流れ?完全入れ替え制なんだけど、2本観る人が結構いた。一回みんな外に出されて、また同じ席に座る感じで。
何か大掛かりなコントを観ているような、凄いおもろかった。
絵を描く人生についていっぱい考えさせられました。

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『≒草間彌生〜わたし大好き〜』

『非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎』

みなみ会館で『非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎』を観る。
まず、ヴィヴィアン・ガールズが動いてるのに感動。が、ちょこちょこ動くんだけど、字幕も観ないといけないし、じっくり細部まで観れなかった。
本人の写真がちょっとしかなかったらしく、何回も同じ写真が出て来る(そうせざるを得ない)ので、自分自身やっぱ色んなモン(制作場面とかも)をデジカメで記録しとかなアカンなと思った。
ビビアン・ガールズの物語(「非現実の王国で」)とヘンリー・ダーガーのドキュメンタリーの2本柱な感じだったけど、それとは別にビビアン・ガールズ単体の映画もいけそうだ。絵を使うなり実写化するなり、何年後かにやるだろうね。

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『非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎』

『黒い家』

先日のことだが、韓国リメイク版の『黒い家』を観る。
個人的に森田芳光監督の『黒い家』を以前観て衝撃を受けたことがある。黒い家に主人公が入るシーンで劇場中が息を呑んでシーンとしてるシーン(いやシャレじゃなくて偶然)で、怖いシーンがあった瞬間に後ろの方の席の人がビックリし過ぎてペットボトルをボロンッ!って落として、会場中が笑ったってのがあった。楳図先生も、”恐怖”と”笑い”は紙一重だと言ってらしたし、怖過ぎて笑ろてしまったのは、これが初めてかもしれない。
ま、それは置いといて。森田版『黒い家』を観たのはかなり前なので、今回の韓国版『黒い家』も全然新鮮に観れる。森田版『黒い家』は、舞台が日本なので日常に近い恐怖があり、韓国版『黒い家』は人も舞台も日本に似た別の世界という意味での恐怖と、「あぁ、これは日本で起きてることじゃないんだ」的な助かった感?がある。今の時代に今の技術で作ったらこうなりましたって感じ。観たことない人は森田版『黒い家』をちょっと観て欲しい。人間こんな怖いめに遭ったら、そらあんなけ震えるで!って位主人公(内野聖陽)がリアルな演技をするし、大竹しのぶがまた強烈。
共に感想は、こんなん巻き込まれたら最悪や!ってのと、
人間怖ぇぇっっーー!!!って感じかな。

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その恐怖を払拭しようと韓国つながりってわけじゃないけどたまたまあった『カンナさん大成功です!』を観る。女子の人は詳しいのかもしれないけど、日本の漫画を韓国で映画化したもの。10年位前に研究所に置いてあって当時読んだけど、全然内容を憶えてないので、普通に新たな気持ちで観る。女の人が整形してキレイになって見返す的な。けど、本当の美しさって何?的な、上げて下げて上げる的なパターンなので安心して観れる。コメディシーンは普通におもろかったかな。ジャージャー麺をバイクで配達中の男が転倒するトコが好き。あの転け方うまい。

『マイ・ブルーベリー・ナイツ』

先日のことだが『マイ・ブルーベリー・ナイツ』を観る。ウォン・カーウァイがアメリカを撮ったらこんな色になんにゃろな的な感じ。当たり前だがノラ・ジョーンズはしゃべり声もノラ・ジョーンズで聞き心地が良いな。ブルーベリーパイ(アイス付き)が無性に食いたくなる。今度入った店に置いてたら食おっと。劇的に何か起こる話じゃないので、観終わった直後は特に「おわぁ〜!」とかならんかったけど、数時間経って思い出すと何か良かったんかも的な感じ。後味良いかな。

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『マイ・ブルーベリー・ナイツ』