『鉄コン筋クリート』マイケル・アリアス監督。

今日は、イラストレーター・森田博之、digmeout ART & DINER・ハマジという異色タッグで映画『鉄コン筋クリート』の試写会に行く。実は、昨日digmeout ART & DINERに監督のマイケル・アリアスさんが来られてて、招待してもらえたのだ。とはいえ、実は僕は松本大洋さんの漫画を一切読んだことがないのだ。というよりは、むしろ避けてたかもしれない。もちろん当時から存在は知ってたが、何ぶんひねくれた性格のため、周りのみんなが良いという物は、自分は観ない的な(作品の内容どうこう関係なく。)頑固な部分があり、例えるなら、映画の宣伝とかで「日本中の何人1人が観た!」とか言われると、ほんならオレは日本の観てない最後の1人になってやんねん!的な頭のおかしなことをしてしまうところがあり(確実に損をしている。)避けてしまうのだが、逆になんかの拍子にそれを観てしまって良かった日にゃ〜、おもっきりヤラれてしまうのだ。ハードルを高くしてる分、衝撃がデカイのだ。全く映画の話からそれていくが、20歳まで手塚治虫を一切読まなかった(みんなから神様!神様!言われてて、ハァ?何が神様やねん!人間やろ!と思っていた。)のだが、そんなある日友人の引っ越しを手伝った時に、たまたまあった手塚治虫の『人間昆虫記』をもらって、(根拠のない)上から目線で、どれどれと読むと、、、おもろっ!!となる。まぁ1冊だけならね、と思いながら”奇子”、”MWムウ”、”地球を呑む”、”火の鳥”と読み進めていくと、う〜わぁ!おもろっ!当時、僕の手塚治虫の印象は、可愛らしいキャラな子供向けの漫画かと思っていた。しかし!おもっきり大人のストーリーではないか!さらに1冊や2冊でなく全部だ。その底なしのアイデアと引き出しの多さに、「こ、こりゃ神だ!神様、今までの無礼をお許し下さい。」と高いハードルをいとも簡単に越えられた反動でおもっきりヤラれてしまったことがある。やっぱり、みんなが良いと言うものは、やっぱイイのだ。と、別に今さら手塚治虫の凄さを説明してるわけではなく、それは僕以上に世界中の人が知っているわけで、ここで言いたいのは、変な食わず嫌いな性格でハードルを高くしてる分、それを越えられた時にその反動で絶大なる衝撃を受けることがある。とうことで、何でこんな話になったか分からないが、、、そうそう、そういうひねくれた性格な分、松本大洋作品を避けてきた(内容に関係なく、そんな変なことしてスイマセン。作者への嫉妬も少なからず入ってると思われる。)のだが、今回原作ではなく、マイケル・アリアス作品として、映画として始めて目にしました。率直な感想を言うと、おもろっ!最高のチームの最高の技術なのだが、街の立体感と人物のスピード感が半端ではない。カメラのピントやブレ、揺れ、きつめのパースなど、実写のような臨場感。建物や背景の凄い立体感に対し、人物の線が手前だろうが奥だろうが同じ極細の線(普通手前の物は太い線で遠近を出すが)で描かれてて、もしかしたらあの独特体型に、線の強弱をつけるとエッジが強過ぎるからかな?背景のリアルさと、か細い人物との関係が不思議な感覚だ。さらに、その人物の線の色を、黒ではなくコゲ茶系に(黒い線だけど細いから、そう見えるのかもしれないが)してるのが、程よくマイルドになっててレトロな建物の錆た感じとで、背景と人物の異なった質感をまとめてるのかもしれない。ストーリーも前知識なく観たものの、すんなり入り込め程よいストーリーの波と疾走感が飽きさせない。そら、作るのに3年かかるは!という感じだ。それと同時に、早く家帰って絵を描きたくなる。凄い創作意欲を沸かしてくれました。それと自分の絵を動かしたいな〜と強く思った。観終った後、3人でも内容を話すのだが、解散して1人になった時に滅茶苦茶、頭の中に映画の世界がフラッシュバックしてきて、街中を走り回りたくなる。直接的に画風が変るってわけじゃないけど、何かしら創作に影響を与えそうだ。うん。これはもっ回観たいかな。うん。参りました。ッテ イウカ ムチャクチャナガクナッテモタ・・・

映画『鉄コン筋クリート』

2006119.jpg