『マリー・アントワネット』

ユナイテッド・シネマ大津で、ソフィア・コッポラの『マリー・アントワネット』を観る。シネコン自体久々というか、2回目位?なのだが、平日のレイトショーということで、人が全然いない。
365人収容の広い館で、10人(5組位)しかおらず、誰一人視界に入らない空の席が前に広がり、どデカイスクリーンで観れたのがかなり贅沢で、このパターンありだな。レイトショー割引きで¥1,200だし。で、映画は良かった。歴史の”重たい”感じでなく、マリー・アントワネットの目線で進んでいき、キルスティン・ダンストは可愛いし、衣裳も可愛い。靴が一杯登場するシーンで、何か水色のコンバースのオールスターが一瞬混じってたような?カメオ出演的に遊びでほりこんでたのか見間違いか分からないけど。。。ちょっと前に『世界ふしぎ発見!』で、この映画公開に合わしてマリー・アントワネット特集(好きなミステリーハンターの竹内海南絵さんの回)をやってて、それが結構忠実にポイント抑えてて、映画のガイドになる。うん。おもしろいおもしろい。いや〜、キルスティン・ダンスト可愛いはこら。帰り、エル・ジャポンをジャケ買いする。

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『靴に恋する人魚』

今日は、街に出る。
文椿ビルヂングで、宇治のシューマッハこと池田孝友くんの展示を観つつ、COCON烏丸のshin-biで『おとぎの国、チェコからの贈り物ヴィンテージしかけ絵本展』観つつ。で、shin-bi隣の、京都シネマで映画『靴に恋する人魚』を観る。↓詳しいストーリーは下記で。
『靴に恋する人魚』


雰囲気は台湾版アメリな感じ。ストーリーは全然違うけど。とにかく、ビビアン・スーが無茶苦茶可愛い。うん、あれは可愛い。靴もいっぱい出てくるし。映画内でビビアン・スーは、飛び出す絵本を作ってる出版社で働いてるのだが、映画のパンフレットも飛び出す絵本になっている。今日は何か仕掛け絵本づいた日だ。

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『unknown-アンノウン』

ちょっとブレイク。
で、この日映画サービスデーだったので、cocon烏丸の京都シネマで『unknown』を観る。”閉ざされた廃棄工場の中で、意識を取り戻した5人の男たち。毒性のガスを吸い込んだ彼らは、一時的な記憶喪失におちいり、自分が誰なのかも思い出せなくなっていた。ひとつだけ分かっているのは、5人のうち2人が人質で、3人が誘拐犯だということ。いったい自分はどちらなのか? 誰が敵で、誰が味方なのか? 混乱と疑念が渦巻くなか、一挺の銃をめぐって争いを繰り広げる男たち。そこに鳴り響く電話のベル。それは、誘拐犯のボスからのものだった。5人の間に広がる死の恐怖。ボスが戻って来たとき、自分が人質なら殺され、犯人なら罰せられるのは確実だ。タイムリミットの日没が迫るなか、「生き残り」という共通の目的に向けて結束する5人。そんな彼らの脳裏に、次第に断片的な記憶が蘇ってくる……。”というところから話が始まる。こういう記憶を扱ったものは、時間軸を入れ替えて観せてくるのでよく観とかないといけないのだが、不眠で行ったため途中何秒間(だと思う)かウトウトしかけるが何とかついて行く。途中それぞれの記憶が徐々に戻ってくるのだが、その記憶というのも途中段階の記憶なので、後々その真実が何回も何回もひっくり返される。中々面白い。あっという間に時間が過ぎ、最小限の要素でコンパクトに完結してて、何か感覚的には深夜、テレビで”Xファイル”の1つの話を1時間観たような小腹を満たしてくれたような感じ?観終った後、”おお〜、なるほどね〜”という感想。

『unknown-アンノウン』

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『トランスポーター2』と『ウルトラヴァイオレット』

祇園会館のタダ券があったので映画を観に行く。毎回言ってるが、この祇園会館は何ヶ月か前の映画(DVDが出るくらいの頃に)を2本立てでやってるのだ。で、行くと『トランスポーター2』『ウルトラヴァイオレット』がやってて観る。『トランスポーター2』は、1は観てないのだが、普通に楽しめた。カーチェイスとターミネーターとジャッキー・チェンを足したような感じ。リュック・ベッソン相当車好きだなという愛情を感じる車の撮り方。海外の高級車のCMを観てるような映像。それから、次に観た『ウルトラヴァイオレット』は耐えられないぐらい(個人的に)良くなかったので途中で退館してしまう。途中1時間位までは、何とか堪えつつ観てたのだが、(サウナを出ちゃう的な)どうも我慢しきれなくなって出る。。。大仁田の試合を観てる的な?これはない。(あくまで個人的に。)

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『クリムト』

cocon烏丸の京都シネマで『クリムト』を観る。んんん〜〜〜。。。あんまピンとこなかったかな?登場人物が、誰が誰か見分けがつきにくいというか、クリムトの死ぬ間際の回想なのだが、現実なのか幻なのか、とにかく山場もなく分かりづらい感じ。クリムトの不安定な精神世界を描いてるみたいなので、観る側もその”どっちやねん”という不安定な感想を持ったのは、制作者の意図通りなのか?しかし、後々頭の中でストーリーを整理すると、30分あれば説明出来きるものを1時間半かけてやってるような?それに、精神世界の方に比重を置いてて絵や絵を描くシーンがあんまないので、それが多分しっくりこないのだと思う。この映画を観にくる人は、やっぱ絵との絡みというか、どういう心境で描いてたのかを観たいと思うのだが精神的な部分だけで、その次のそういう精神やからこんな風に絵になって、、、とか、もっと絵を実写(モデル)で再現してほしかったかな。あと+1時間分くらいそういうシーンが観たかったかなと。映画終るとみんな、無言でそそくさと出ていってたし。いや、あくまで一意見ですが。

『クリムト』
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『Ecole』

”五重塔が見える映画館”でお馴染み、みなみ会館で『Ecole(エコール)』を観る。そしてヤラれる。。。


最初、このストーリーとビジュアルの可愛らしさに惹かれて観に行く。以前観た映画『変態村』は、汗臭そうなオッサンしか出てこなかった(オバちゃんがちょろっと出たくらい)が、この『エコール』は真逆で、ほとんど少女しか出てこない。(ちなみに、この映画の撮影監督は、変態村の監督だ。)男子には、みうらじゅん氏的に言う、童貞論や青春ノイローゼ的な、今ふりかえると中学生当時の自分は、自分であってもうすでに自分ではない他人的な人格になってしまってる、男子特有の頭のおかしな時期(その後の人生を左右するような重要な時期)があるが、女子には女子でまた特有の時期があるのだなぁ〜と思った。その男子の知り得ない秘密の時期をこっそりのぞき見してしまったような感覚になる映画。少女から少女でなくなる、目には見えない瞬間を見事に映像化している。しかも、映像上でもそれは見えないのだが見えるのだ(ちょっと意味分からないかもしれないが。)見えないけど魅せているのだ。楳図かずお氏も『わたしは真悟』で、子供から大人へ変態してしまう様を”カチッ、カチッ…”と身体の中から秒読みの音が聞こえてきて表現されてるのだが、それと通じるものがあるかもしれない。女子がこの映画を観たら、自分が経験してきた過去とダブらせて共感を覚えるかもしれないし「男子には分からないわよ!」と言うかもしれないが、逆に男子が観る方が「わ!これが少女か!」とその振り幅が大きい分、女子よりも受ける衝撃も大きいかもしれない。この映画を観ることによって、一瞬少女の感覚が分かったような気がするが、それも多分奇蹟的に一瞬だけ感じられたと思うし、映画が終れば直ぐに薄れて見えなくなってしまうだろう。たとえもう一度この映画を観てその感覚を感じようとしても初見で感じた感覚はもう二度と味わえないと思う。映画を観てると最初は、ヤン・シュワンクマイエルの『アリス』や『地下室の怪』や、サラ・ムーンの『ミシシッピー・ワン』的な、少女の可愛さと見えない何かによって色々操作されてるような不安な世界なのかな?と思いきや、物語が8〜9割進むに連れ、それだけではない謎(推理的な謎ではなく、少女たちの居る世界の意味が分かってくる)が除々に解けていき、監督(ギャスパー・ノエの奥さん)が言いたかった事が何かが完全に理解出来き、”わぁ!そっちか!”となる。その後、エンディングを迎えるのだが。最後のシーンだけ見ると楽しそうなシーンなんだけど、それまでの9割のフリが凄く効いてて、かなり衝撃的。夏・冬通して真っ白な衣裳と年齢を分けるリボンも、非常に効いている。最年長ビアンカの場面によって、大人っぽく見えたり子供に見えたりする演技だけではない変化が、まさに、少女と少女ではなくなる瞬間を目撃できる。あの少女はあの森から出ない方が良かったのか?と思ったり。物語全体としては、目に見えた大きな起伏はないものの静かに大きな衝撃を与えてくる新感覚だ。あからさまな説明がないのに、こんなに監督の意図を明確に映像で理解出来たのは初めてかもしれない。これは、2006年に観た映画で『変態村』に次ぐヒットだ。非常にアリだこれ。うん。アリだこれ。映画館を出た後、そこら中にいる女の人を見ると(失礼な話だが)、”この人らみんな森から出ちゃったんだなぁ〜。”という感覚になる。ホント失礼な話だ。とにかく、ヤラれた。スゴイ!

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『鉄コン筋クリート』マイケル・アリアス監督。

今日は、イラストレーター・森田博之、digmeout ART & DINER・ハマジという異色タッグで映画『鉄コン筋クリート』の試写会に行く。実は、昨日digmeout ART & DINERに監督のマイケル・アリアスさんが来られてて、招待してもらえたのだ。とはいえ、実は僕は松本大洋さんの漫画を一切読んだことがないのだ。というよりは、むしろ避けてたかもしれない。もちろん当時から存在は知ってたが、何ぶんひねくれた性格のため、周りのみんなが良いという物は、自分は観ない的な(作品の内容どうこう関係なく。)頑固な部分があり、例えるなら、映画の宣伝とかで「日本中の何人1人が観た!」とか言われると、ほんならオレは日本の観てない最後の1人になってやんねん!的な頭のおかしなことをしてしまうところがあり(確実に損をしている。)避けてしまうのだが、逆になんかの拍子にそれを観てしまって良かった日にゃ〜、おもっきりヤラれてしまうのだ。ハードルを高くしてる分、衝撃がデカイのだ。全く映画の話からそれていくが、20歳まで手塚治虫を一切読まなかった(みんなから神様!神様!言われてて、ハァ?何が神様やねん!人間やろ!と思っていた。)のだが、そんなある日友人の引っ越しを手伝った時に、たまたまあった手塚治虫の『人間昆虫記』をもらって、(根拠のない)上から目線で、どれどれと読むと、、、おもろっ!!となる。まぁ1冊だけならね、と思いながら”奇子”、”MWムウ”、”地球を呑む”、”火の鳥”と読み進めていくと、う〜わぁ!おもろっ!当時、僕の手塚治虫の印象は、可愛らしいキャラな子供向けの漫画かと思っていた。しかし!おもっきり大人のストーリーではないか!さらに1冊や2冊でなく全部だ。その底なしのアイデアと引き出しの多さに、「こ、こりゃ神だ!神様、今までの無礼をお許し下さい。」と高いハードルをいとも簡単に越えられた反動でおもっきりヤラれてしまったことがある。やっぱり、みんなが良いと言うものは、やっぱイイのだ。と、別に今さら手塚治虫の凄さを説明してるわけではなく、それは僕以上に世界中の人が知っているわけで、ここで言いたいのは、変な食わず嫌いな性格でハードルを高くしてる分、それを越えられた時にその反動で絶大なる衝撃を受けることがある。とうことで、何でこんな話になったか分からないが、、、そうそう、そういうひねくれた性格な分、松本大洋作品を避けてきた(内容に関係なく、そんな変なことしてスイマセン。作者への嫉妬も少なからず入ってると思われる。)のだが、今回原作ではなく、マイケル・アリアス作品として、映画として始めて目にしました。率直な感想を言うと、おもろっ!最高のチームの最高の技術なのだが、街の立体感と人物のスピード感が半端ではない。カメラのピントやブレ、揺れ、きつめのパースなど、実写のような臨場感。建物や背景の凄い立体感に対し、人物の線が手前だろうが奥だろうが同じ極細の線(普通手前の物は太い線で遠近を出すが)で描かれてて、もしかしたらあの独特体型に、線の強弱をつけるとエッジが強過ぎるからかな?背景のリアルさと、か細い人物との関係が不思議な感覚だ。さらに、その人物の線の色を、黒ではなくコゲ茶系に(黒い線だけど細いから、そう見えるのかもしれないが)してるのが、程よくマイルドになっててレトロな建物の錆た感じとで、背景と人物の異なった質感をまとめてるのかもしれない。ストーリーも前知識なく観たものの、すんなり入り込め程よいストーリーの波と疾走感が飽きさせない。そら、作るのに3年かかるは!という感じだ。それと同時に、早く家帰って絵を描きたくなる。凄い創作意欲を沸かしてくれました。それと自分の絵を動かしたいな〜と強く思った。観終った後、3人でも内容を話すのだが、解散して1人になった時に滅茶苦茶、頭の中に映画の世界がフラッシュバックしてきて、街中を走り回りたくなる。直接的に画風が変るってわけじゃないけど、何かしら創作に影響を与えそうだ。うん。これはもっ回観たいかな。うん。参りました。ッテ イウカ ムチャクチャナガクナッテモタ・・・

映画『鉄コン筋クリート』

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猫目小僧

楳図かずお原作の映画『猫目小僧』を十三の第七藝術劇場まで観に行く。この映画館は初めて来たが、凄いボロくて雰囲気があるのだが、空調設備が凄いうるさい。静かなシーンでも”ボーボー”いっている。映画の方は、つっこむところがてんこ盛りあるのだが、全然許せるというか嫌悪感は感じなかかった。原作への愛情は感じられました。主人公の猫目小僧の顔がパンパンで(もちろん特殊メイクで、実際の顔のサイズよりごつくなるんだけど)身体もぽっちゃりしてて、一応小柄な人を使ってるみたいだが、全然”小僧”ではない。”猫目おっさん”な感じだ。推測するに、顔がごつくなってしまうので華奢な人を使うとマッチ棒みたいになってしまうので、顔のごつさに身体を合わしたら、あのぽっちゃりになってしまったのかな?と思う。顔がアップのシーンでは瞬きしたり眼球が動くのだがちょっと引きになると目ん玉が動かなくなり、お面みたくなるのがちょっとチープかなと。でも愛嬌はある感じだ。凄いB級な感じだが、頑張ってA級を狙ってのB級ではなくて、いやらしさのない意図的なB級さというか低予算で楽しんで作ってるような。要所に出て来るCGがへちょいが、そのへちょさも一周回って笑えてくるかな。楳図ファンでもあるこの監督の、楳図漫画要素が細かく入ってるのも分かる。とくに登場する女の子の描写が楳図かすお的美少女にちゃんとなってるし、さらに、その可愛い女の子が滑稽な壊れたアホな演技(その、ギャップも楳図かずおのギャグ漫画理論に基づいている!)をさせるのも、直接的エロではないが微妙なフェティシズムをついてるのが分かるし非常に共感できた。京子役・中村映里子さんの怪演がイイ。監督のプロフィールによるとAV界ではカリスマ監督と書いてあったので、ならではというか微妙なストライクゾーンに突き刺さる。(エロいシーンがあるってことじゃなく、可愛い女の子が滑稽なことをするってギャップの話。わかるわかる。)こだわりを凄い感じました。田口浩正さんも楳図漫画顔だし。全く恐い映画ではなく、コメディ映画。

『猫目小僧』

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”神の左手 悪魔の右手”

五重塔が見える映画館・みなみ会館で『神の左手 悪魔の右手』を観る。もちろん楳図かずお原作の名作漫画の実写化だ。ホント待ちに待った!原作コミックは5話から構成されてるが、その中でボクも一番衝撃的だった「黒い絵本」を中心に実写かされてます。ちゅーか、幽霊とかそういう恐さではなくて(いや、幽霊とかの恐さかもしれないが)人間の狂気っぷりというか、以前原作を読んだ時に「子供に、よ〜そんな絵本見せるなぁ〜。。。」という恐ろしさを感じてて、映画化の話を聞いたときに”恐ぇぇぇ〜〜〜っっっ!”と思ったのを憶えている。もちろんフィクションなんだけど、実際に子役の子(重複?)に見せてるわけで、あの子のトラウマにならなければいいけど。。。あの父親役をブロンソンズの田口トモロヲさんが見事に演じてます。優しい表情と目ん玉ひんむいて眉間にしわをよせた感じは楳図マンガになってます。ハサミの音も恐い!!正直な感想を言うと全部で5話あるストーリーの1話だけで完結させてるわけで、ボクは原作を読んでるから知ってるものの主人公ソウのキャラクター設定や説明、それから生じる説得力がどうかなという感じだが、監督としては、楳図ファンが観にくるだろうから原作を読んでて当り前でしょ的な感じなのだろうか?それとも、5話中の1話を95分にしたら、やっぱそうなるのかな?しかし、楳図かずおさんのインタビューによると、あえて観終った後に様々な謎が残り、観た人が様々な想像をめぐらせることが出来るようになっていると言ってらっしゃるし、説明のなさというのは意図的なのだろう。ま、観終った後の「どういうことやったんやろ?」となるのも、マイナス的な”意味が分からん!”ではなくてプラス的に”あぁかな?こぉかな?”と色々想像出来るもんね。楳図かずおさん自身もカメオ出演っていうかモロ出演されてて、映画内で唯一微笑ましかったです。(セリフ的には、深いことを言ってらっしゃりましたが。)もう一回観たいかな。

『神の左手 悪魔の右手』

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「リアリズムの宿」

買っちまった!つげ義春原作・山下敦弘監督の映画『リアリズムの宿』のDVDをついに買っちまった。公開当時映画館で観てヤラレてしまい(2回観に行った。)、DVD欲しいなぁ欲しいなぁ〜と思ってたのだが、先日夜中に放送してたのを観て、DVD購入を決意。(もちビデオも録ったのだが)これはホンマ、たまらんは。名作だ。

『リアリズムの宿』

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”変態村”

時間的にちょっと余裕が出来たのでカフェ閉店後、レイトショー映画を観に”五重塔の見える映画館”みなみ会館までチャリで行く。夜はちょっと肌寒い。で、気になってた映画『変態村』っていう、ようそんな名前付けたなぁ〜って映画を観る。フランス=ベルギー=ルクセンブルグ合作の映画。簡単に言うと、一人の人間が変な村に迷い込んで、えらいめに合わされる話。スティーブン・キングの『ミザリー』の監禁されてた人が外に逃げ出したら外の人間も全員狂ってた感じ?ちょっと漫画太郎的センスやG★MENSの爆弾コント的匂いもする。(笑かそうとしてじゃなく真剣にやってるとこが。コワ過ぎて笑けました。)詳しいストーリーはHPで見て下さい。
『変態村』

宣伝文句的に、ギャスパー・ノエ『カルネ』とかが例に挙げられてたので、ちょい重めかなと思ってたらそんなこともなく、許容範囲の不快感?納得のいく不快感というか、どういったらいいかわからないけど、とことん変態に作ろうと思えば無茶しまくればいいんやろうけど、これはあんま狂った感じを押し付けてくるわけでもないし、気をてらったり奇抜な事やったモン勝ち的な感じでなく、ほどよい変態感。監督は冷静に変態を撮ってる感じ。逆にそっちの方がド変態だ。というよりも、『変態村』ってのは日本の配給会社が付けたわけで、原題は”Calvaire”=受難ってことらしいから、監督自身は変態の村を撮ってやろ〜って魂胆がないからだろうから、ヤラしさがないのか。逆に邦画で『変態村』ってタイトルで映画を撮ったら多分胡散臭い変態を強調したような寒ぶいことになりそうだが。主人公の一人だけが(現実社会一般にいう)正常で、それ以外の登場人物全員が狂ってました。ほんと、リアルな恐さ。変態の人は自分のことを変態だなんて思ってないわけで、例えば10人中1人が(現実社会一般にいう)正常で9人が変態やったら、その変態9人が正常で、1人の正常だと思ってた人が変態になるのかな。正常と変態の立場が入れ代わった瞬間を観る。真剣に変態で笑けます。もう、何が変態で何が正常か分からなくなります。最初を除いて泥だれけのおっさんしか出てきません。おっさんが集まってこれ撮ってると思うと面白いです。。この映画観終ったあと「こら、変態村やは!」と思いましたね。上手いこと名前付けたもんだ。大仁田が自分で”邪道”って言うてるみたいなモンでしょうか?あまり内容を深く言えないけど、観た人いたら話したい感じ。まぁまぁ面白かったです。面白くても、もう一回観るのは労力的にしんどいって映画あるけど、これはもう一回観れますね。帰り道ずっと映画内のコワイ曲がリフレインで流れてました。

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クロード・ガニオン監督とタカコ。

この映画の助監督宮平貴子さんは実はjimamaテルミーの実妹なのだ。(姉妹そろってお世話になってます。残すは弟?)今はクロード・ガニオン監督の優秀な右腕としてカナダに住んでて久々に会う。変わってない(良い意味で)。クロード・ガニオン監督も久々にお会いする。前会った時はボウズに近い短髪だったのに(眉毛もなかった)髪が伸びてました。いや〜〜、映画ってホントに良いモンですね〜。で、色々やることもあるので渋々帰宅。

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近江鉄道・貴生川駅にて。

ボクが以前ポスターを描かしてもらった映画『Revival Blues』のクロード・ガニオン監督最新作『KAMATAKI-窯焚-』の試写会が、滋賀県甲賀市碧水ホールであったので観に行く。何でそんな所で?と言うと、タイトルの”窯焚”てのは陶芸の窯焚きのことで、信楽焼きの信楽で撮影されたためそれに関わった人やロケ地の方へのお披露目という感じなのだ。無論、日本初公開!で、その上映会場まで行くのが大変で、2回電車に乗り継ぎ、さらに近江鉄道てのに乗り継いであと1駅ってところで「わ!1両編成の単線か。コレに乗るのか。」って写真を撮ってると電車が出てしまう。まぁいいかと時刻表を見ると次ぎ30分後じゃないか。1時間に2本しか走ってないのだ。開演時間までまだ余裕があったし、1駅だからいいかと歩いていくことに。知らない土地だから線路伝いに歩いていこうとするが、線路伝いに道がない!田んぼや畑ばっかりだ。何度か引き返しつつそれっぽい方向に歩くが一向に次の駅に着かない。そう、田舎なので駅と駅の間隔が滅茶苦茶あるのだ。途中引き返そうかと思ったが、もう次の電車に間に合わないので前に進むしかないのだ。京阪電車の土井・滝井間とは大違いなのだ。結局50分位(守口・京橋間位)掛かって、ギリギリ間に合う。今日は凄く寒ったけど、これが暖ったかかったら無茶苦茶気持ち良いと思います。空気はうまいし、山あり川あり自然だらけだし。

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『KAMATAKI-窯焚-』

で、この『KAMATAKI-窯焚-』凄いのだ。モントリオール世界映画祭で最優秀監督賞など5部門受賞、ベルリン映画祭で審査員特別賞受賞、その他2つの映画祭で賞を受賞してて、現時点で計8冠も奪ってるのだ。8冠と言えばグレート・サスケが以前(初代)ジュニア8冠王座に輝いてたが。そんなことはどうでもよくて。で、観た感想は、良かった!『Revival Blues』死に向かって下がってく感じなら、『窯焚』は、これから生きて行こうって感じのポジティブな上がってく感じ。言いたいことは、てんこ盛りあるけど、まだ公開してないので深く書かないけど、とにかく色が美しくオリエンタルな音が無茶苦茶たまりませんでした。なんちゃって陶芸じゃなく、(取材や窯焚きを何度も経験した)本気陶芸。窯がホントに生きている感じでした。しかも、ロケ地の窯の場所には、以前『Revival Blues』の打ち合わせで行ったことがあって火を入れる所も見学させてもらったので、実際見たことある所が話になってて不思議な感じ。さらに映画内に『Revival Blues』のポスターがなにげに(確信的に!サービス的に!)貼ってあってニヤけてしまう。日本では、いつ公開なのか分かりませんが、これは良いです。

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五重の塔が見える場所にある映画館

で、昨日(1/1)は映画1,000円dayだったので、みなみ会館に『東京ゾンビ』を観に行く。映画館来るの久々。花くまゆうさく原作マンガの映画化で、アフロとハゲのキャラを浅野忠信と哀川翔が演じてるが、笑かしてやろう的嫌味はない。むしろ感動的な話。カメラも長回ししてたりで、いかりや長介&仲本工事の「バカ兄弟」コントを彷佛させる。原作者花くまゆうさく氏もゾンビ役で出てくる。(ホントは世界のTKがやる予定だったらしい)さらに楳図かずおさんも出ている。原作も読んだが、話の筋は結構忠実に出来ている。それプラス映画用の脚本・役者の面白さという感じ。柔術、プロレス、八百長、ガチンコというテーマにも、うっ!となる。エンデイングのバイクで土手を走るシーンも好き。観終わって映画館を出る時は、自分も柔術マスターになった気になりました。

『東京ゾンビ』

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